二十歳の約束
桜の季節。
私は高校生になった。
と、言っても中高一貫の女子校、キャンパスも制服も同じ。
違うことは校則で髪を束ねなくてよくなったこと。
三クラスだった中学から、外部からの生徒が入ってきて、12クラスになったこと。
それでも奇跡的になっちと同じクラスになれた。
高1になった私の気がかりなこと。
それは、
赤いスニーカーの人が卒業してるんじゃないか?
もし、昨年度高3だったなら、今年はもういない。
ドキドキしながら、またいつものようにチェックしてみる。
見えた。
赤いスニーカー。
改札前のいつもの場所でスタンバイ。
やっぱり彼がいた。
前と変わらず、楽しそうに話ながら通学してる。
「なっちー!!まだいた!赤いスニーカーの人!!」
彼が高2か高3だってことがわかっただけで嬉しかった。