二十歳の約束
とさか君にクッキーを届けてから、何となく千葉君とあまり話してなかったんだけど、久しぶりに連絡してみた。

「千葉君って彼女いるの?」

人から頼まれてると、こんな質問も簡単にできてしまう。

「え?いないけど。」

「チョコちゃんがチョコ渡した中にカードが入ってるらしいんだけど。」

「あ、友達なの?うん、入ってた。」

「連絡してあげないの?」

「あー、うん。」

「チョコちゃんいい子だよ、頑張って渡したと思うよ。」

「そんなこと、あゆこちゃんに言われたくないんだけど。俺の勝手じゃない?」

珍しくめちゃくちゃウザイです全開な千葉君にちょっと出しゃばりすぎたと思いつつ、チョコちゃんからの頼みを遂行したい思いだけで、

「でもさ、ありがとうって連絡するくらいは最低限必要な礼儀じゃない?」

ずいぶん偉そうな事を言ってしまった。

「そうだね、わかった。」

そう言って、電話は終了。

なんか、説教ばばあみたいになって、千葉君に嫌われたかも・・・
どうしよう・・・


でも、チョコちゃんに頼まれたし。


翌日チョコちゃんがクラスに来た。

「千葉君から連絡あったよーあゆこ、サンキュー」

すぐに連絡してくれたんだ、千葉君。
そして、千葉君て意外にモテるのね・・・知らなかった。

チョコちゃんは千葉君に似合いそうなオシャレなネクタイを買った話しをしてくれた。
デートできたらもっていくんだと。
その行動力と自信が私にもほしいものだ。
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