二十歳の約束
高2の七月
7月は私の誕生日だったけど、とさか君は知らなかった。

そういえば言った事なかったのかなー
当日に、私が誕生日だって言ったから、遊びにいくことになった。


バイクで迎えにきてくれて、「はい」
って、ヘルメットを渡された。


どーやって被るんですか?
そしてどーやって乗るんですか?

そんなハイレベルな事、女子校育ちの私にわかるわけがなく、恥を覚悟で、とさか君に教えてもらい、
後ろにのせてもらった。

海に連れて行ってくれた。

と、言っても地元の10分ほどで着く海。

そこで二人で話してたけど、やっぱり会話が続かなかった。

それがくるしくなったのか、とさかくんは転がってたサッカーボールで

高難度の技

とやらを見せてくれた。
それを完成させるために、たぶん30分近くボールと格闘してて、私が見てることも忘れてます?ってくらい集中してた。
暑かったのか、途中で着ていたTシャツを脱いで、上半身裸でやってた。

背中を見て驚いた。
思いっきり怪我してる。
しかも、バットか何かで後ろから殴られました?みたいな。

私がサッカーじゃなく、背中に見いってることに気づいた登坂くんは、すっごく焦った顔をして、Tシャツを拾って着た。

「昨日さ、バイク乗ってたら後ろからたまたま木刀ぶつけられて」

たまたま木刀ってぶつかるのか?

登坂、まじヤンキーか。
千葉くんの存在でヤンキー感抜けて忘れてたけど、、、

「そうなんだ、、、
大丈夫なの?わたし、後ろにつかまって痛かったんじゃない?」

登坂くんに、うるさいこと言う奴と思われたくなくて、
お嬢様だからひいてるとかも思われたくなくて、普通にしてるつもりでいるのに必死だった。

「大丈夫。全然、たいしたことないし。
、、、なんかごめん、気を付ける。」

お互い言いたいことが言えなくて、なんとも言えない空気がたまらなくしんどかった。


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