二十歳の約束
もうあと30分くらいしかないなぁ、、見つかる気がしないけど、二人がこんなに協力してくれてるんだから、見つかったら絶対に話しかけよう!

そう思いながら探したけど、見つかるもんじゃない、、、


「S女の子!!、占いやっていってよ!!」

後ろからそう呼び止められて、振り向くと、見慣れた彼がいた。

まさか??
こんなことありえる?

二度見したけど、履いてる。
赤いスニーカー。


彼とその仲間達に、半ば強引に手を引っ張られて座らされてた。

奥から占い師風の装いをしたド素人の男子高生が出てきて、

「では、右のあなたから」


と、私の手相を見てくれた。

でも、そんなことは全く頭に入ってこなくて、さっきの呼び込みの人が彼なのか、もう一回確認したくてしかたなかった。

「はい、次の彼女」

どうやら、私の手相占いは終わったようだった。

なっちに交代した時、彼が近づいてきた。

絶対そう。

まちがいなく赤いスニーカーの人。

「s女の何年?」

私に向かって話してくれてる!!

「1年です!」

目を合わせられず、さらにさっきの焼きそばの青のりも気になり、全く顔がみれなかった。

「おれ、2年。登坂こうすけ。連絡先交換しようよ。」

「あ、うん。永森あゆこです」

彼は見た目どうりの遊んでそうな軽いノリで連絡先を聞いてくれた。

まさかの名前だけでなく連絡先もゲットできてしまった。

こんなことあっていいんだろうか。。。

幸運すぎてこわい。

手相占いを終えたなっちがやってきた。

「あゆこ、連絡先交換してたねーイケメンじゃーん!」

「なっち。あの人、赤いスニーカーの人」

「えええええーーーー!!!!!まじ??????
うっわ、ほんとだ赤いスニーカーはいてるし!」
「えーーー!!すごすぎ!!目標達成じゃん!!向こうから連絡先聞いてきたの?」

「うん。聞いてくれた。
でも、待って、もしかして私が毎日見てんのがバレてて、からかわれてるのかも!!それか、とりあえず今日は文化祭だから、引っかかりそうな女子全員に声かけてるのかも!!!」

そう声に出してみると、そうとしか思えなくなっていった。

一体、彼は今日、何人と連絡先を交換したんだろう。

嬉しすぎることがおこると、人って悪い方に考えるのね。

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