二十歳の約束
帰宅して袋を開けてみた。

これは、また、もらってはいけないものだった。

ちゃんとしたブランドのネックレス。

とさかくん、こうゆうの買いにいってくれるとこ、想像出来ないよ。


涙がぶわーっと溢れてきた。

しばらく放心。

「もらっていいの?高価な物だし、もらえないよ。」

そうメールしたら、

「昔、誕生日にしょーもない物しかあげなかったから、罪滅ぼし。」

そう返ってきた。


とさか君・・・ありがとう。
そんなこと思ってくれてたんだ。
そして、覚えてくれてたんだ。


このことは遠藤君には言えなかった。

何でも話せる遠藤くん。
その大切さを知ってるから、ズルイ私は失うのが怖かった。

でも、そこからずっと、とさか君のことばかり考えてる自分がいた。

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