二十歳の約束
「これ、あゆこに渡したくて。」
合格祈願のお守りだった。
とさか君、受験しないから、確実に私のために買いにいってくれたんだなー
「ありがとう、頑張るね。」
「おれも、就職きまったよ。
おれは、留年したり、けんかしたり、ださかったけど、あゆこのこと、すげー好きだった。
あゆこに釣り合う男になりたいと思ってたし、今もそう思ってる。
就職して働いて、金貯めて、20歳のあゆこの誕生日にベンツに乗って、迎えにこれる男になるから、楽しみにしててよ。」
にっこり笑ってるとさかくんがまっすぐに私を見てくれてた。
私の回答を待つこともなく、
じゃあ、って振り返って、すぐ後ろにとめてたバイクにまたがって帰っていった。
とさか君。
初めて好きって言ってくれた・・・
ボロボロボロボロ涙が溢れてきた。
この未来の約束がどうなるのかはわからないけど、
とさか君のこと、私も大好きだった。
高校時代、とさか君に会えてよかった。
とさかくんが居なかったら、私の高校時代は何もなかったよ。
素敵な時間をありがとうございました。
ベンツに乗ってってところが、馬鹿っぽくてまたかわいいです。
二十歳の時、私も登坂くんに迎えにきてもらえるような女になれるよう、頑張って生きていきます。