二十歳の約束

「これ、あゆこに渡したくて。」

合格祈願のお守りだった。

とさか君、受験しないから、確実に私のために買いにいってくれたんだなー

「ありがとう、頑張るね。」

「おれも、就職きまったよ。
おれは、留年したり、けんかしたり、ださかったけど、あゆこのこと、すげー好きだった。
あゆこに釣り合う男になりたいと思ってたし、今もそう思ってる。
就職して働いて、金貯めて、20歳のあゆこの誕生日にベンツに乗って、迎えにこれる男になるから、楽しみにしててよ。」

にっこり笑ってるとさかくんがまっすぐに私を見てくれてた。

私の回答を待つこともなく、
じゃあ、って振り返って、すぐ後ろにとめてたバイクにまたがって帰っていった。



とさか君。

初めて好きって言ってくれた・・・
ボロボロボロボロ涙が溢れてきた。


この未来の約束がどうなるのかはわからないけど、
とさか君のこと、私も大好きだった。


高校時代、とさか君に会えてよかった。

とさかくんが居なかったら、私の高校時代は何もなかったよ。
素敵な時間をありがとうございました。

ベンツに乗ってってところが、馬鹿っぽくてまたかわいいです。


二十歳の時、私も登坂くんに迎えにきてもらえるような女になれるよう、頑張って生きていきます。
< 55 / 55 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop