イジワルな君と私との恋愛事情
萌絵side
「萌絵、紹介するな。こいつ、『中臣彰吾』。」
私は、その時、中学2年生だった。
初恋もまだだった。
私は、梶くんに紹介された男の子をチラッと見たが、すぐに関心がないように、視線を反らした。
(きっと、この男の子も『私目当て』なんだ。)
私は、自慢じゃないが、けっこうモテるほうだ。
男の子から告白されたのも、数知れず……。
だから、この男の子も、『その類い』だと思いこんでしまっていた。
そして、『嫌悪感』を露にした顔で、その男の子を見て、
「私、あなたなんかと、付き合うつもりありませんから……!」
そう言い放った。
すると、梶くんは大爆笑!
その男の子は、びっくり眼で、私を見つめていた。
「萌絵、違うって。ショウは俺の親友なんだよ。」
梶くんは、まだ笑いながらそう言った。
私は、自分が、とんでもない勘違いをしたんだと思い、恥ずかしくて、全身から火が飛び出そうだった。
「梶くん、それなら、最初から言ってよね。」
(相変わらず、意地が悪いんだから……。)
私は、梶くんに非難めいた目を向けると、
「勝手に誤解した萌絵が悪いんだろ?」
梶くんは、意地悪く、そう言い放つ。
梶くんのことなんかよりも、誤解して、きつく言ってしまったことを、相手に謝らないといけない……。
「…す、すみません……。何か、誤解して、きつく言ってしまって……。私は、浅葱萌絵です。よろしくお願いします。ええと……。」
(確か、名前は……。)
「中臣彰吾です。萌絵ちゃんだっけ?よろしくね。」
中臣彰吾くん……。
何か、見かけによらず、優しそうなイメージだな。
外見は、茶髪で、派手な印象だが、梶くんとは違うみたい。
梶くんは、端正な顔立ちをしているが、底意地が悪い。
私は、小さい頃から、イジメられ、泣かされてきた。
だからといって、梶くんのことを『嫌い』なわけじゃない。
ちゃんと、優しいところもあるって、知ってるの。
小さい頃、ケガをした私をおぶってくれたこともあるのだ。
だが、基本的には『意地悪』だ。
今日も、中臣くんをいきなり紹介して、私にわざと誤解させた。
(中臣くん……。仲良くなれるかな?)
私は、『人見知り』するほうだ。
そして、人間の『好き嫌い』が激しい。
私は、『嫌いな人』とは話したくもないし、口も聞きたくないとさえ思っている。
そんな私は、他の女子たちからは嫌われている。
私、梶くん、中臣くん。
三人で会う機会も増えてきて、『中臣くん』から、『彰吾くん』と言える仲になってきていた。
彰吾くんと二人っきりで会うことも多くなってきた。
誘うのは、いつも『私』だけど……。
そして、彰吾くんは、その外見に似合わず、根はとても真面目だった。
私は、彰吾くんに惹かれていって、好きになっていった。
だけど、梶くんと彰吾くんが高校生になって、
二人から、ある『女の子』の名前が出てくるようになった。
その女の子の名前は『紅林結』さん。
梶くんがイジメているとかで、彰吾くんは、毎度、叱っていた。
私と二人っきりの時も、その『結』さんの話が出てくるようになった。
私は、彰吾くんから、『結』さんの名前が出るたび、胸が苦しくなって、痛くなり、切なくなった。
彰吾くんは『結ちゃん』と呼んでいるらしい。
彰吾くんにとって、『結』さんは『特別な存在』だと、私はそう思っていた。
『結』さんは私にとって『恋敵』。
だから、私は『結』さんのことが『大嫌い』だった。
だけど、それがまったくの『私の誤解』で、彰吾くんの『好きな人』は『別の人』だと、彼自身の口から聞かされたのは、私が高校生になってからだった。
だが、彰吾くんの『好きな人』は、私が予想だにしていなかった相手だったのだ。
私は、その時、中学2年生だった。
初恋もまだだった。
私は、梶くんに紹介された男の子をチラッと見たが、すぐに関心がないように、視線を反らした。
(きっと、この男の子も『私目当て』なんだ。)
私は、自慢じゃないが、けっこうモテるほうだ。
男の子から告白されたのも、数知れず……。
だから、この男の子も、『その類い』だと思いこんでしまっていた。
そして、『嫌悪感』を露にした顔で、その男の子を見て、
「私、あなたなんかと、付き合うつもりありませんから……!」
そう言い放った。
すると、梶くんは大爆笑!
その男の子は、びっくり眼で、私を見つめていた。
「萌絵、違うって。ショウは俺の親友なんだよ。」
梶くんは、まだ笑いながらそう言った。
私は、自分が、とんでもない勘違いをしたんだと思い、恥ずかしくて、全身から火が飛び出そうだった。
「梶くん、それなら、最初から言ってよね。」
(相変わらず、意地が悪いんだから……。)
私は、梶くんに非難めいた目を向けると、
「勝手に誤解した萌絵が悪いんだろ?」
梶くんは、意地悪く、そう言い放つ。
梶くんのことなんかよりも、誤解して、きつく言ってしまったことを、相手に謝らないといけない……。
「…す、すみません……。何か、誤解して、きつく言ってしまって……。私は、浅葱萌絵です。よろしくお願いします。ええと……。」
(確か、名前は……。)
「中臣彰吾です。萌絵ちゃんだっけ?よろしくね。」
中臣彰吾くん……。
何か、見かけによらず、優しそうなイメージだな。
外見は、茶髪で、派手な印象だが、梶くんとは違うみたい。
梶くんは、端正な顔立ちをしているが、底意地が悪い。
私は、小さい頃から、イジメられ、泣かされてきた。
だからといって、梶くんのことを『嫌い』なわけじゃない。
ちゃんと、優しいところもあるって、知ってるの。
小さい頃、ケガをした私をおぶってくれたこともあるのだ。
だが、基本的には『意地悪』だ。
今日も、中臣くんをいきなり紹介して、私にわざと誤解させた。
(中臣くん……。仲良くなれるかな?)
私は、『人見知り』するほうだ。
そして、人間の『好き嫌い』が激しい。
私は、『嫌いな人』とは話したくもないし、口も聞きたくないとさえ思っている。
そんな私は、他の女子たちからは嫌われている。
私、梶くん、中臣くん。
三人で会う機会も増えてきて、『中臣くん』から、『彰吾くん』と言える仲になってきていた。
彰吾くんと二人っきりで会うことも多くなってきた。
誘うのは、いつも『私』だけど……。
そして、彰吾くんは、その外見に似合わず、根はとても真面目だった。
私は、彰吾くんに惹かれていって、好きになっていった。
だけど、梶くんと彰吾くんが高校生になって、
二人から、ある『女の子』の名前が出てくるようになった。
その女の子の名前は『紅林結』さん。
梶くんがイジメているとかで、彰吾くんは、毎度、叱っていた。
私と二人っきりの時も、その『結』さんの話が出てくるようになった。
私は、彰吾くんから、『結』さんの名前が出るたび、胸が苦しくなって、痛くなり、切なくなった。
彰吾くんは『結ちゃん』と呼んでいるらしい。
彰吾くんにとって、『結』さんは『特別な存在』だと、私はそう思っていた。
『結』さんは私にとって『恋敵』。
だから、私は『結』さんのことが『大嫌い』だった。
だけど、それがまったくの『私の誤解』で、彰吾くんの『好きな人』は『別の人』だと、彼自身の口から聞かされたのは、私が高校生になってからだった。
だが、彰吾くんの『好きな人』は、私が予想だにしていなかった相手だったのだ。