イジワルな君と私との恋愛事情
結side1
(もう何で何で、いつも私ばかりに頼むのよ。)
私は購買部のおばさんがいる所へ走りながら、そう心の中で思う。
私、紅林結【くればやしゆい】。
ごく平凡な普通の女の子。
特別、可愛いわけでもない。
フツーの顔立ちをしている。
そんな私に構って、雪間くんはどこが楽しいんだろうか?
(それよりも、周りにあんなにキレイな女の子たちがいるんだから、そっちに構ってくれると、私は助かるんだけどなぁ。)
(やっと着いた……。)
私は息を整えながら、前を見る。
いつもながらに、昼ご飯目当ての生徒たちでいっぱいだった。
でも、雪間くんの昼ご飯を買わなければならない。
だが、雪間くんの指定するパンはいつも大人気で、すぐに売り切れてしまう。
(本当にそういうとこがイジワルなんだから……。)
心の中で毒づく。
意を決して、ごった返す生徒たちの中に入ろうとしたその時、
「結もパン買うのか?」
涼しげな声で声をかけてきたのは、
「高ちゃん。」
『高ちゃん』こと、春名高行【はるなたかゆき】。
私の一つ年上の幼なじみ。
優しくて、キレイな顔立ちをしているので、あの雪間くんと女子たちの人気を二分するほどである。
「違うよ。これから、買うのは、雪間くんの分。」
私がそう言うと、
高ちゃんは、
「お前、またか?」
と、少々、呆れ顔の様子だったが、
「何、買ってくればいいんだ?」
そう言った。
「えっ!?高ちゃん、いいよ。私、自分で買うから……。」
だが、高ちゃんは、
「いいから、買ってきてやるよ。そこで待ってろよ。」
と、言ってくれた。
昔から優しくて、頼りになって、男らしい、高ちゃん。
私は昔から、高ちゃんが大好きだった。
もちろん、『恋愛対象』として……。
(どっかの誰かさんとは違うんだから……。)
私は、雪間くんと高ちゃんを比べていた。
そして、高ちゃんのおかげで、雪間くんの昼ご飯を無事ゲットすることができたのだった。
私は購買部のおばさんがいる所へ走りながら、そう心の中で思う。
私、紅林結【くればやしゆい】。
ごく平凡な普通の女の子。
特別、可愛いわけでもない。
フツーの顔立ちをしている。
そんな私に構って、雪間くんはどこが楽しいんだろうか?
(それよりも、周りにあんなにキレイな女の子たちがいるんだから、そっちに構ってくれると、私は助かるんだけどなぁ。)
(やっと着いた……。)
私は息を整えながら、前を見る。
いつもながらに、昼ご飯目当ての生徒たちでいっぱいだった。
でも、雪間くんの昼ご飯を買わなければならない。
だが、雪間くんの指定するパンはいつも大人気で、すぐに売り切れてしまう。
(本当にそういうとこがイジワルなんだから……。)
心の中で毒づく。
意を決して、ごった返す生徒たちの中に入ろうとしたその時、
「結もパン買うのか?」
涼しげな声で声をかけてきたのは、
「高ちゃん。」
『高ちゃん』こと、春名高行【はるなたかゆき】。
私の一つ年上の幼なじみ。
優しくて、キレイな顔立ちをしているので、あの雪間くんと女子たちの人気を二分するほどである。
「違うよ。これから、買うのは、雪間くんの分。」
私がそう言うと、
高ちゃんは、
「お前、またか?」
と、少々、呆れ顔の様子だったが、
「何、買ってくればいいんだ?」
そう言った。
「えっ!?高ちゃん、いいよ。私、自分で買うから……。」
だが、高ちゃんは、
「いいから、買ってきてやるよ。そこで待ってろよ。」
と、言ってくれた。
昔から優しくて、頼りになって、男らしい、高ちゃん。
私は昔から、高ちゃんが大好きだった。
もちろん、『恋愛対象』として……。
(どっかの誰かさんとは違うんだから……。)
私は、雪間くんと高ちゃんを比べていた。
そして、高ちゃんのおかげで、雪間くんの昼ご飯を無事ゲットすることができたのだった。