イジワルな君と私との恋愛事情

中臣くんside2

(どうして、春名先輩が、飯沼さと美と……!?)

思い当たるとすれば、一つしかない。

飯沼さと美のその『態度』を見て悟った。

(春名先輩に告白するつもりなんだ……。)

俺は、ズキリッと心が傷む。

『女の子』だから、『好きな人』に『告白』できる。

俺は、正直、うらやましかった……。

『女の子』っていうだけで……。

「ショウ、俺、もう帰るな。じゃあな。」

雪は、春名先輩を見ることもなく、飯沼さと美には目もくれず、そそくさと教室を出て行ってしまった。

教室の中には、俺、春名先輩、飯沼さと美だけが残った。

(…この状況を一体、どうしろと?)

俺は、そう思いながら、でも、俺が教室を出ていかなきゃと思った。

飯沼さと美は、明らかに、春名先輩と二人っきりになりたがっているからだ。

だけど、俺は……。

その時だった。

春名先輩が俺に近づいてきて、

「彰吾、具合、悪いのか?」

そう心配そうに聞いてきた。

「…えっ!?あっ…あの、いや、俺は……。」

そんな様子の俺を見て、春名先輩は、本当に俺が具合が悪いと思いこんだらしい。

「大丈夫か?一緒に保健室へ行ってやる。飯沼、悪いけど、話はまた今度でいいかな?」

「…はい……。分かりました……。」

飯沼さと美は、しぶしぶといった感じで、返事をし、教室を出て行った。

「彰吾。ほら、行くぞ。」

春名先輩はそう言うと、自分の肩を貸そうとしてくれたが、

「いや、春名先輩、大丈夫です。一人で歩けます。」

俺は、そう言うと、春名先輩と一緒に教室を出て、保健室に向かったんだ。

春名先輩と二人っきり……。

こんなのドキドキが止まらない……。






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