浮気者上司!?に溺愛されてます
いつもは全然気にならない、時計が秒針を刻む音が、やけに響いて聞こえた。
日付が変わる前に電気を落として、静けさだけを纏った私の部屋。
私はいつも通りベッドに身体を横たえて、布団に潜り込んでから何度目かの寝返りを打った。
とても、静かだった。
聞きたくない物音もしない。
目を閉じていれば、いつもと同じように眠りはすぐに訪れてくれるはずなのに。
怖がる必要もなく、安心しているはずなのに。
いつも感じないもう一つの息遣いを意識して、私はまったく眠れない。
私のベッドの横には、恭介がベッドに背を預けて、足を投げ出した格好で布団にくるまって眠っている。
『ここにいる』という恭介の言葉を私が拒み切れなかったから、彼は私のすぐそばで窮屈な格好で眠っている。
どうしてここまでしてくれるんだろう。
恭介が大事にすべき人は他にいるのに。
恭介の言葉も態度も、その真意がわからなくて、私はただ混乱するだけだ。
そっと身体を起こして、恭介の背後からその横顔を見つめた。
最低な浮気者上司。
なのに、私に向けてくれる気持ちは、疑いたくないくらいリアルな本気に包まれていて、どうしていいかわからなくなる。
恋愛偏差値ゼロの私じゃなくても、こんな風に大事にされたら、何も考えられなくなるんじゃないだろうか。
一番じゃない私にこれだけの幸せを与えてくれるんだから、きっと恭介の奥さんはもっともっと幸せなはずだ。
そう思うと、見たこともない奥さんが羨ましくて、そして妬ましくて……私の心に、ありえない嫉妬が生まれてくるのを感じた。
日付が変わる前に電気を落として、静けさだけを纏った私の部屋。
私はいつも通りベッドに身体を横たえて、布団に潜り込んでから何度目かの寝返りを打った。
とても、静かだった。
聞きたくない物音もしない。
目を閉じていれば、いつもと同じように眠りはすぐに訪れてくれるはずなのに。
怖がる必要もなく、安心しているはずなのに。
いつも感じないもう一つの息遣いを意識して、私はまったく眠れない。
私のベッドの横には、恭介がベッドに背を預けて、足を投げ出した格好で布団にくるまって眠っている。
『ここにいる』という恭介の言葉を私が拒み切れなかったから、彼は私のすぐそばで窮屈な格好で眠っている。
どうしてここまでしてくれるんだろう。
恭介が大事にすべき人は他にいるのに。
恭介の言葉も態度も、その真意がわからなくて、私はただ混乱するだけだ。
そっと身体を起こして、恭介の背後からその横顔を見つめた。
最低な浮気者上司。
なのに、私に向けてくれる気持ちは、疑いたくないくらいリアルな本気に包まれていて、どうしていいかわからなくなる。
恋愛偏差値ゼロの私じゃなくても、こんな風に大事にされたら、何も考えられなくなるんじゃないだろうか。
一番じゃない私にこれだけの幸せを与えてくれるんだから、きっと恭介の奥さんはもっともっと幸せなはずだ。
そう思うと、見たこともない奥さんが羨ましくて、そして妬ましくて……私の心に、ありえない嫉妬が生まれてくるのを感じた。