浮気者上司!?に溺愛されてます
「……ももちゃん知ってる? 桜庭課長の奥さんって……」
周りに聞こえないように思いっきり身を屈めて、コソッと訊ねると、ももちゃんは、うーん、と首を傾げた。
「彼女の噂とかは聞いたことあるけど、奥さんとなるとあまり詳しい話聞かないんだよね」
「そ、そうなの?」
「うん。私、海外営業部に先輩いるんだけどね。先輩情報だと、ある日いきなり指輪してくるようになって、みんながウズウズしながら聞いたら、『籍入れたんだ』って言うだけだった、とか」
ももちゃんの話は、確かにとても恭介らしいと思う。
だけど……。
「そういう時代なの? 歴代最年少課長になるような人が、上司に報告とか結婚式しないで入籍だけとか。なんか適当じゃない?」
ある程度年齢がいってるなら、そういう結婚もあるだろう。
だけど、その当時、恭介はまだ二十代だったはずで、奥さんも同世代だとしたら結婚式を挙げないって考え辛いと思う。
それともそこにこだわる私は考え方すら化石なのかな?
「でも課長、適当な人だし」
ももちゃんの返事は、元も子もない。
「奥さんじゃなくて彼女だったら、割と目撃談もあるんだよ。同じ海外営業部の新人とか、財務部の同期とか、秘書室の専務秘書とか」
指を折って数え上げるももちゃんの言葉に、チクチクと胸が痛んだ。
周りに聞こえないように思いっきり身を屈めて、コソッと訊ねると、ももちゃんは、うーん、と首を傾げた。
「彼女の噂とかは聞いたことあるけど、奥さんとなるとあまり詳しい話聞かないんだよね」
「そ、そうなの?」
「うん。私、海外営業部に先輩いるんだけどね。先輩情報だと、ある日いきなり指輪してくるようになって、みんながウズウズしながら聞いたら、『籍入れたんだ』って言うだけだった、とか」
ももちゃんの話は、確かにとても恭介らしいと思う。
だけど……。
「そういう時代なの? 歴代最年少課長になるような人が、上司に報告とか結婚式しないで入籍だけとか。なんか適当じゃない?」
ある程度年齢がいってるなら、そういう結婚もあるだろう。
だけど、その当時、恭介はまだ二十代だったはずで、奥さんも同世代だとしたら結婚式を挙げないって考え辛いと思う。
それともそこにこだわる私は考え方すら化石なのかな?
「でも課長、適当な人だし」
ももちゃんの返事は、元も子もない。
「奥さんじゃなくて彼女だったら、割と目撃談もあるんだよ。同じ海外営業部の新人とか、財務部の同期とか、秘書室の専務秘書とか」
指を折って数え上げるももちゃんの言葉に、チクチクと胸が痛んだ。