浮気者上司!?に溺愛されてます
休憩から戻ってメールをチェックしながら、私は一度ドキッと手を止めた。
『業務後』という件名のそのメールは恭介から届いた物。
一度躊躇ってから開封すると、短い文章が目に飛び込んできた。
『今夜、食事一緒にどう?』
恭介からのお誘いに、一瞬胸が弾んでしまうのを否めない。
それでも次の瞬間には、私はどうにか浮かれそうになる自分を必死に抑え込んだ。
わずかに目線を上げると、恭介はデスクについて私に背を向けたままでいる。
昨日の今日で指輪を外して私を食事に誘うなんてどこまでも意味深だし、何より……浮気と本気の比重がわからなくなって、私の方が焦って怯む。
ああ、どうして私、こんなことになる前にちゃんと毅然と断れなかったんだろう。
自己査定なんかどうでもいいってもっと早く思うべきだった。
恭介の強引さをパワハラだと訴えれば良かった。
絶対に流されたりしない、と言い聞かせながら恭介に屈服した自分を思い出す。
そんな自信、どこから湧いて来たんだろう。
元々、普通の憧れを抱いていた上司だ。
全く免疫ない私があんなに大事にされて可愛がられたりしたら、抗えずに落ちるこの結末はとっくにわかり切っていたはずなのに。
それでも、恭介の指輪が今までいくらかストッパーになってくれていた。
浮気な恋なんか絶対にお断りだったのに……。
なのに、恭介を好きになってしまった。
恭介は、私の最後の砦を外した。
『業務後』という件名のそのメールは恭介から届いた物。
一度躊躇ってから開封すると、短い文章が目に飛び込んできた。
『今夜、食事一緒にどう?』
恭介からのお誘いに、一瞬胸が弾んでしまうのを否めない。
それでも次の瞬間には、私はどうにか浮かれそうになる自分を必死に抑え込んだ。
わずかに目線を上げると、恭介はデスクについて私に背を向けたままでいる。
昨日の今日で指輪を外して私を食事に誘うなんてどこまでも意味深だし、何より……浮気と本気の比重がわからなくなって、私の方が焦って怯む。
ああ、どうして私、こんなことになる前にちゃんと毅然と断れなかったんだろう。
自己査定なんかどうでもいいってもっと早く思うべきだった。
恭介の強引さをパワハラだと訴えれば良かった。
絶対に流されたりしない、と言い聞かせながら恭介に屈服した自分を思い出す。
そんな自信、どこから湧いて来たんだろう。
元々、普通の憧れを抱いていた上司だ。
全く免疫ない私があんなに大事にされて可愛がられたりしたら、抗えずに落ちるこの結末はとっくにわかり切っていたはずなのに。
それでも、恭介の指輪が今までいくらかストッパーになってくれていた。
浮気な恋なんか絶対にお断りだったのに……。
なのに、恭介を好きになってしまった。
恭介は、私の最後の砦を外した。