浮気者上司!?に溺愛されてます
「ん? どうかした?」

「い、意地悪っ!!」


半分泣きそうになって、真っ赤になりながらそう叫んだ。


「~~っ! 緊張してるよ。怖いよ。ほんとにいいのかって迷ってるよ! でも、仕方ないじゃない……」


肘を立てて軽く身体を起こしながら涙を堪えると、恭介はキュッと唇を結んで黙り込んだ。


「で、でも私だって恭介が好きだから。この気持ちは、何より確かなものだから。だから私だって地獄に堕ちる覚悟決めて……」

「地獄、って。奏美、大袈裟……」

「茶化さないで! だから……今、こうやって恭介の前にいる私は、もう逃げるつもりもないのっ! だから……」


真っ赤な顔を泣きそうに歪める私に、恭介は何度か目を瞬かせた。
そして、フッと表情を和らげると、私の頬に左手を添えた。


「……こんな緊張するシチュエーション、もう一度仕切り直し、なんて無理……」


目を伏せながらそう言った私に、恭介はフフッと笑った。


「わかった。……じゃあ、抱いていい?」


軽く抱き寄せられて、耳元でわずかに声を低めて囁かれた。
途端に胸がドキンと大きく高鳴る。
それでも一度小さく頷いた。
そして、今度はもっと意志を伝えるように、大きく縦に首を動かした。


それを合図に……。


「OK。……じゃ、イタダキマス」


そんなからかうような言葉を耳に囁きかけて、恭介が私をゆっくりベッドに押し倒す。
そして……天井を見上げた私の視界を遮るように、身体の重みを私に預けてきた。
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