浮気者上司!?に溺愛されてます
「恭介と紫乃さんの間にどういう経緯があるか、私は何も知らないけど……確かに、調子のいいことかもしれないけど……恭介は、愛してない人と結婚考えるような人じゃないです。だから、紫乃さんを愛した時の恭介は、本当に紫乃さんだけだったはずで……」
上手く説明出来ない。
だけど、たどたどしくても、一生懸命言葉を探りながらそう言った。
紫乃さんは、恭介が一度は一生を誓った人だ。
それだけでも羨ましい。
だから、紫乃さんにだけは、恭介の愛情を疑うようなことを言わないで欲しい。
そう伝えたかったのに。
「……残念ながら、私は恭介さんに愛されたことなんか、一度だってないわよ」
紫乃さんの、低い声はまるで地面を這うようで、私はグッと膝の上で手を握りしめた。
恐る恐るその表情を窺い見ると、険しいのにどこかぼんやりとしていて、悲し気に細めた瞳に、私の胸がズキッと痛む。
紫乃さんの療養休暇を、恭介は、自分のせいだと言った。
もしかして、二人はその頃から既に?
ううん、結婚そのものが、何かワケありだったとか……?
『一度も愛されたことがない』なんて。
紫乃さんがそう誤解してしまうようなことって、いったい……。
「……水野さんは、腹が立つくらい純粋なのね。……そうよね。考えてみたら、女の敵は女じゃない。フラフラと女を食い散らす男の方よ」
「え?」
テーブルに頬杖をついて、クックッと小気味よく笑い出した紫乃さんに、私は思わずゾクッとしてしまう。
「し、紫乃さん……?」
上手く説明出来ない。
だけど、たどたどしくても、一生懸命言葉を探りながらそう言った。
紫乃さんは、恭介が一度は一生を誓った人だ。
それだけでも羨ましい。
だから、紫乃さんにだけは、恭介の愛情を疑うようなことを言わないで欲しい。
そう伝えたかったのに。
「……残念ながら、私は恭介さんに愛されたことなんか、一度だってないわよ」
紫乃さんの、低い声はまるで地面を這うようで、私はグッと膝の上で手を握りしめた。
恐る恐るその表情を窺い見ると、険しいのにどこかぼんやりとしていて、悲し気に細めた瞳に、私の胸がズキッと痛む。
紫乃さんの療養休暇を、恭介は、自分のせいだと言った。
もしかして、二人はその頃から既に?
ううん、結婚そのものが、何かワケありだったとか……?
『一度も愛されたことがない』なんて。
紫乃さんがそう誤解してしまうようなことって、いったい……。
「……水野さんは、腹が立つくらい純粋なのね。……そうよね。考えてみたら、女の敵は女じゃない。フラフラと女を食い散らす男の方よ」
「え?」
テーブルに頬杖をついて、クックッと小気味よく笑い出した紫乃さんに、私は思わずゾクッとしてしまう。
「し、紫乃さん……?」