浮気者上司!?に溺愛されてます
恭介が、真っすぐ私を見つめ返してくれている。


「どういう意味で言ってるのか、確認したいとこだが」


一言そう言って、恭介は私の髪を優しく撫でた。


「言っとくけど、奏美に対してとはグレードもランクも違うぞ」

「……ごめんなさい。変なこと聞いた」


聞かなくていい。
恭介が、私以外の女性にどんなことをするか、なんて。


私はクルッと恭介に背中を向けた。
コンロにかけていたパスタポットの中で、もう既にお湯が沸騰していた。
今更、言ったことを後悔して、私はこの空気を一変させようと、妙に勢いよく二人分のパスタをお湯の中に投入した。


「よしっ。茹で時間、九分っ」


そう言って火加減を緩めてから、恭介を振り返って明るく笑って見せた。


「……茹で上がるまで、何しようか」


腕組みして、ニッと口角を上げる恭介に、思わずドキッとしてしまう。
この顔……絶対悪いこと考えてるに決まってる。


「恭介は部屋で待ってて。私はパスタソース作るから」

「ミートソース温めるのに、九分も必要?」
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