浮気者上司!?に溺愛されてます
「えっ!?」


目が飛び出るほど大きく見開いて、ぽかんと口を開ける私を軽く追い越して、桜庭課長はさっさと沖縄料理のお店に向かって行ってしまう。


「ちょっ……! 課長、待って下さい!!」

「『恭介』」


ジロッと機嫌悪そうな瞳を向けながら自身の名前を私に刷り込ませるように、桜庭課長はゆっくりと口を開いた。


「う……」


妙な迫力に、言おうとした抗議をのみ込んでしまう。


「さすがに仕事中もそうしろとは言わないけど、二人でいる時はそう呼べ。いつまでも『課長』なんて呼ばれてたら、全然恋人っぽくないし」


不機嫌な顔もカッコいい。
そこに少しふて腐れたような、仕事中はあまり見ない感情も交じっているような気がして。
私は桜庭課長につい見惚れてしまうけど。


――いやいやいや!!
何、いいように丸め込まれちゃってるの、私!!
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