浮気者上司!?に溺愛されてます
不躾なほどジーッと見つめていたのに気づかれてしまったのか、恭介はフッと目を上げると箸を動かす手を止めた。
「そんなに見つめられると、俺でも照れるんだけど」
ちっとも照れてる様子も見せずにサラッと言いながら、口角だけ少し上げてクスッと笑われた。
ジッと見つめてしまった私の方が恥ずかしくなる。
「す、すみません」
「別に。っていうか、そんなに俺のラフテー欲しい?」
「……は?」
「いいよ。ほら、あ~んして」
「あ……?」
勝手にどんどん進んでいく会話に追いつくのも必死だった私は、聞き返したつもりがとても従順に口を開けてしまっていた。
そこに、真正面から躊躇いもなく恭介が箸を向けてくる。
「むぐっ……」
「ど? 美味い?」
口の中には小さく切ったラフテーの欠片。
真正面には私の反応を待つ極上の男。
そして店内の女性客が、小さく「きゃああ!」と叫ぶ声。
その全てが、私に今この状況がなんなのかを教えてくれる。
途端に、頭の中が真っ白になって、ゴックンと嚥下反射を発動していた。
「……何飲み下してんだか。それじゃ味わかんないだろ?」
さすがに恭介が呆れた顔をしている。
それでも私は大きく目を見開いたまま、硬直して身動きも出来ない。
「仕方ないな。もう一口だけだよ。今度はちゃんと……」
「ちょっ……なんてことするんですかっ……!」
再び箸を向けてきそうな勢いの恭介に、私はようやく我に返って咳き込みながら声を上げた。
「そんなに見つめられると、俺でも照れるんだけど」
ちっとも照れてる様子も見せずにサラッと言いながら、口角だけ少し上げてクスッと笑われた。
ジッと見つめてしまった私の方が恥ずかしくなる。
「す、すみません」
「別に。っていうか、そんなに俺のラフテー欲しい?」
「……は?」
「いいよ。ほら、あ~んして」
「あ……?」
勝手にどんどん進んでいく会話に追いつくのも必死だった私は、聞き返したつもりがとても従順に口を開けてしまっていた。
そこに、真正面から躊躇いもなく恭介が箸を向けてくる。
「むぐっ……」
「ど? 美味い?」
口の中には小さく切ったラフテーの欠片。
真正面には私の反応を待つ極上の男。
そして店内の女性客が、小さく「きゃああ!」と叫ぶ声。
その全てが、私に今この状況がなんなのかを教えてくれる。
途端に、頭の中が真っ白になって、ゴックンと嚥下反射を発動していた。
「……何飲み下してんだか。それじゃ味わかんないだろ?」
さすがに恭介が呆れた顔をしている。
それでも私は大きく目を見開いたまま、硬直して身動きも出来ない。
「仕方ないな。もう一口だけだよ。今度はちゃんと……」
「ちょっ……なんてことするんですかっ……!」
再び箸を向けてきそうな勢いの恭介に、私はようやく我に返って咳き込みながら声を上げた。