浮気者上司!?に溺愛されてます
一人になってぼんやりと歩く。
ほんと……いつまで私こんなことしてるんだろうな、と思うと、お酒も入ってるせいか、いつもよりすごくネガティブな気分に陥りそうだ。
微妙な酔いも手伝って、意味もなく足を交差させながら、真っすぐエレベーターホールに向かった。
あーあ……。
これ、今年だけでもう何回目だろう……。
指折数えてみたら片手だけじゃ足りなくて、思い出してはいちいち落ち込む自分がマヌケで、天井を見上げながら深い息を吐いた。
今年どころじゃない。
物心ついた時から、私はいつもこんな役回りだ。
私、水野奏美(みずのかなみ)。
元々物怖じしない人懐っこい性格で、小さい頃から友達にも仲間にも恵まれた。
二十七歳という年齢になっても、一人になりたくない時、呼び出してすぐ来てくれる友達は男女問わずたくさんいる。
そんな自分を幸せ者だと思うけれど……。
『ほんと、お前っていいヤツだよなあ』
好意を寄せる相手からそんなことを言われて、これは恋の始まりかも!?と有頂天になっていた頃の自分は、思い出すとむしろ哀れだ。
仲良くなって、私が勝手に恋心を胸に抱き始めると、たいてい相手は私にこう言う。
『俺、実は○○ちゃんが好きなんだけどさあ……』
それを聞いて、私の恋は無残にも摘み取られる。
咲き誇ることも実ることもないまま、日照不足でグデンと穂先を垂れた稲穂のように。
ほんと……いつまで私こんなことしてるんだろうな、と思うと、お酒も入ってるせいか、いつもよりすごくネガティブな気分に陥りそうだ。
微妙な酔いも手伝って、意味もなく足を交差させながら、真っすぐエレベーターホールに向かった。
あーあ……。
これ、今年だけでもう何回目だろう……。
指折数えてみたら片手だけじゃ足りなくて、思い出してはいちいち落ち込む自分がマヌケで、天井を見上げながら深い息を吐いた。
今年どころじゃない。
物心ついた時から、私はいつもこんな役回りだ。
私、水野奏美(みずのかなみ)。
元々物怖じしない人懐っこい性格で、小さい頃から友達にも仲間にも恵まれた。
二十七歳という年齢になっても、一人になりたくない時、呼び出してすぐ来てくれる友達は男女問わずたくさんいる。
そんな自分を幸せ者だと思うけれど……。
『ほんと、お前っていいヤツだよなあ』
好意を寄せる相手からそんなことを言われて、これは恋の始まりかも!?と有頂天になっていた頃の自分は、思い出すとむしろ哀れだ。
仲良くなって、私が勝手に恋心を胸に抱き始めると、たいてい相手は私にこう言う。
『俺、実は○○ちゃんが好きなんだけどさあ……』
それを聞いて、私の恋は無残にも摘み取られる。
咲き誇ることも実ることもないまま、日照不足でグデンと穂先を垂れた稲穂のように。