浮気者上司!?に溺愛されてます
「ちょっとやそっとじゃ立ち直れないなあ……。あ、俺の心の傷が癒えるまで、俺を慰め続けるってどう?」


ニヤニヤ笑いながらそんな意地悪なことを、恭介はその色気のある唇で紡ぎ出す。


「な、慰めるって、何をどうやって……」


いろんな意味で追い詰められる感覚に、背筋に嫌な汗が流れるのを感じた。


「もちろん、俺の女になって」

「それは、さっきなかったことにしてほしいって……!」

「俺が責任取って、っていうのはね。今度は意味が違う。奏美が俺に責任取るんだよ」

「そ、そんなっ!」


あまりの事態に、その先が言葉にならない。
パクパクと口を動かすだけの私を見つめて、恭介は胡散臭いほどニッコリ笑った。


「いいじゃん。少なくとも、俺、お前に嫌われてはいないと思ってたけど?」


だろ?と言うように小首を傾げる仕草が、やけに人懐っこくて無碍に出来ない。


「そ、そりゃ……」

「それに、高津が相手なら、奏美、失恋ホヤホヤだろ。確か、百瀬と付き合い始めたって聞いたし」


話、早っ……! って言うか、上司である恭介が知ってるほど、二人はわかりやすかったんだろうか。


妙な屈辱を感じながら黙り込む私に、恭介はとっても人の悪い笑い方をした。
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