浮気者上司!?に溺愛されてます
一時間きっかりで会議が終わると、総合職組がいち早く仕事に戻って行った。
高津もちょっと肩を落として会議室から出て行って、それを見送るももちゃんが私の隣で、「ねえ」と掠れた声を出した。
「……桜庭課長、やけに厳しくなかった? 今日」
低めた声だけど、まだ定位置に残って羽村さんと話をしている恭介を気にしながら、私は小さく頷いた。
「で、でも。まあ、いつもが緩すぎるっていうか……」
「そうかな。高津君にだけ厳しかった気がする」
ズッと一度鼻を啜り上げたももちゃんに、私は曖昧な表情を浮かべるしかない。
確かに、その後の先輩の報告に対してはそれほど大きな突っ込みはしなかったし、その後はいつもと変わらない空気で会議は終わったのだけど。
「……高津君、桜庭課長を怒らせるようなことしたのかな。私、慰めないとっ!」
妙に気合を入れて手を握りしめて、ももちゃんは資料を胸に抱えると会議室から駆け出して行った。
その姿に恋する乙女の模範のようなものを感じながら、私は大きく息を吐いた。
そんな私の視界で、羽村さんも、ももちゃんの後から出て行くのを見送った。
気づいたら、会議室に残ったのは私と恭介だけだった。
それを強く意識しながら、私は心のモヤモヤをグッと抑える。
そして、仕事に戻ろうと資料を手に一歩踏み出した時。
「奏美」
恭介が私を短く呼んで、ドキッとしながら立ち止まった。
「……意地悪し過ぎた?」
振り向く前にそう背中に声をかけられて、私は一度俯いた。
高津もちょっと肩を落として会議室から出て行って、それを見送るももちゃんが私の隣で、「ねえ」と掠れた声を出した。
「……桜庭課長、やけに厳しくなかった? 今日」
低めた声だけど、まだ定位置に残って羽村さんと話をしている恭介を気にしながら、私は小さく頷いた。
「で、でも。まあ、いつもが緩すぎるっていうか……」
「そうかな。高津君にだけ厳しかった気がする」
ズッと一度鼻を啜り上げたももちゃんに、私は曖昧な表情を浮かべるしかない。
確かに、その後の先輩の報告に対してはそれほど大きな突っ込みはしなかったし、その後はいつもと変わらない空気で会議は終わったのだけど。
「……高津君、桜庭課長を怒らせるようなことしたのかな。私、慰めないとっ!」
妙に気合を入れて手を握りしめて、ももちゃんは資料を胸に抱えると会議室から駆け出して行った。
その姿に恋する乙女の模範のようなものを感じながら、私は大きく息を吐いた。
そんな私の視界で、羽村さんも、ももちゃんの後から出て行くのを見送った。
気づいたら、会議室に残ったのは私と恭介だけだった。
それを強く意識しながら、私は心のモヤモヤをグッと抑える。
そして、仕事に戻ろうと資料を手に一歩踏み出した時。
「奏美」
恭介が私を短く呼んで、ドキッとしながら立ち止まった。
「……意地悪し過ぎた?」
振り向く前にそう背中に声をかけられて、私は一度俯いた。