浮気者上司!?に溺愛されてます
「私だって……私だってねえ!!」
それに乗じてこの憂さ晴らしをしたくなって、私は更に声を張り上げた。
「いつまでも『いいヤツ』なんてやってらんないのよ! 悪い女になって、冒険したい気持ちくらいあるんだから!!」
いいヤツ=恋愛対象外なら、私が恋をする為には、そのくらいの自己革命も必要だ。
そう口に出した瞬間、待っていたエレベーターが到着して、チンと軽い音を立ててドアが開いた。
そして。
「……水野?」
ボタンを押して開いたドアをキープしてくれた、箱の中の人が、眉を寄せて私をジッと見ていた。
「えっ……」
名前を呼ばれて、思わず目を瞬かせた。
そして、視覚でその人を認識した途端、全身の血が足元に引いていくような感覚に襲われた。
「さっ……桜庭課長っ……!?」
箱の中にはその他には誰もいない。
桜庭課長はボタンを押したまま私が乗るのを待ってくれている。
でも……。
「お、お疲れ様です……」
酔いなんか一瞬にして醒めた。
引き攣った顔でとってつけたような挨拶を口にした私に、桜庭課長は、「ああ」と短く頷いた。
「何やってんの? 乗れば?」
更に畳みかけられる素っ気ない言葉に、それでも私は躊躇する。
それに乗じてこの憂さ晴らしをしたくなって、私は更に声を張り上げた。
「いつまでも『いいヤツ』なんてやってらんないのよ! 悪い女になって、冒険したい気持ちくらいあるんだから!!」
いいヤツ=恋愛対象外なら、私が恋をする為には、そのくらいの自己革命も必要だ。
そう口に出した瞬間、待っていたエレベーターが到着して、チンと軽い音を立ててドアが開いた。
そして。
「……水野?」
ボタンを押して開いたドアをキープしてくれた、箱の中の人が、眉を寄せて私をジッと見ていた。
「えっ……」
名前を呼ばれて、思わず目を瞬かせた。
そして、視覚でその人を認識した途端、全身の血が足元に引いていくような感覚に襲われた。
「さっ……桜庭課長っ……!?」
箱の中にはその他には誰もいない。
桜庭課長はボタンを押したまま私が乗るのを待ってくれている。
でも……。
「お、お疲れ様です……」
酔いなんか一瞬にして醒めた。
引き攣った顔でとってつけたような挨拶を口にした私に、桜庭課長は、「ああ」と短く頷いた。
「何やってんの? 乗れば?」
更に畳みかけられる素っ気ない言葉に、それでも私は躊躇する。