浮気者上司!?に溺愛されてます
まるでマシンガンのように言葉を浴びせられて、さすがに怯む。
そして私が恭介に放った答えは……。


「ど、独身だから」


それを聞いて、恭介がガックリと肩を落とした。


「奏美……、お前、独身なら誰でもいいのかっ！？」

「そりゃっ……！　既婚者よりずっとマシっ！」

「それにしたってもっと相手選べよ。アイツ、人の好さそうな顔して、合コンの度に一人ヤり捨てる最低な男だぞっ！」


続く言葉に、さすがに大きく息をのんだ。


「う、そ」

「本当だよ。信じられないなら、明日出社したら周りの誰かに聞いてみろ。もしかしたら被害者にぶち当たるかもしれん」

「う……」


恭介の言葉を鵜呑みにするのもどうかと思ったけれど、これだけ血相を変えた姿を目にしたら意地張って茶化すわけにもいかない。
少なくとも……半分自暴自棄に陥りかけた私を助けてくれた。
今、それだけは間違いないのだから。


「……ごめ……ごめんなさい。……ありがとう」


そう言いながらなんとか立ち上がると、恭介はふて腐れたように前髪を搔き上げてそっぽを向いた。


「で、でもすごい偶然っ！　あ、恭介も誰かと飲んでた……とか？」


私がお誘いを断ったから、たとえば上司に付き合わされて、とか。
そう思って軽い気持ちで問いかける私の前で、恭介はまだ不機嫌そうに顔を背けている。
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