浮気者上司!?に溺愛されてます
ビルの商業フロアにあるレストランで、オーダーを済ませて改めて向き合った途端。


「なあ、お前最近ちょっと変わったな」


高津が私にそう言った。


「え?」


おしぼりで手を拭きながら顔を上げる。
高津は軽く頬杖をついて、なんだかジーッと私を見ていた。


今日のお店セレクトは鹿児島の黒豚料理だ。
高津は例のごとく沖縄料理のお店に行きたかったみたいだけど、私の方はこの間恭介と行ったばかりだし、強引にこっちにつれて来たのだ。
とは言え、私と高津の間では、沖縄料理に続いて通う頻度の高いお店だ。


「この間、百瀬とも話してたんだけどさ。なんか化粧とか変えた?」


ソースはももちゃんか、と思うと、私は軽く肩を竦めた。


「別に、これと言って変えてないけど」

「そっかなあ~。確かに俺から見てもちょっと雰囲気変わったと思うんだよな」

「だから、どこが」


お冷のグラスを手に短く質問を繰り出すと、高津は一度大きく椅子に背を預けて、腕組みをしながらう~んと唸った。
そして……。


「ちょっと、女っぽくなった?」


言われた瞬間、ブッと吹き出しそうになった。


よ、良かった、まだ水飲む前で。
それでも自分の吸気で咳き込む私に、高津は首を傾げていた。
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