浮気者上司!?に溺愛されてます
なんとなくおかしい、と気づいたのは、ある夜、同期会の後、ももちゃんと二人で並んで駅まで歩いていた時だった。
「……ねえ。あの人さ、同じお店でカウンターにいた人だよね?」
ももちゃんが眉間に皺を寄せながら、ほんのわずか後方に視線を向けてからそう言った。
どこか憚るような行動に、私もつられてこっそりと背後に視線を走らせた。
だけど、私にはももちゃんが不審に思った人影を見つけられなかった。
「お店に入るタイミングも一緒だった。一人なのに、宴会帰りの私たちと帰りが一緒って変じゃない?」
ももちゃんはそう言って気味悪そうにしていたけど、私にはそもそも誰のことなのかもわからない。
「それ、男? 女?」
「男……だったかな?」
ももちゃんはそう言って、自信なさそうに首を傾げた。
「背高くて髪短くて、ダッポリコート着てたから、気にしてみないとわかんないよ」
そう言われてもう一度、今度は大きく振り返ってみたけど、ももちゃんが言うような怪しい人影はやっぱり見当たらない。
それを告げると、ももちゃんも背後を確認した。
そして、やっとホッとしたような表情を浮かべる。
「……なんか、気味悪い。急ごう、奏美」
そう言って駅まで小走りになるももちゃんを慌てて追いかけた。
それでも、私の方はそこまで気にしていなかったのだけど……。
「……ねえ。あの人さ、同じお店でカウンターにいた人だよね?」
ももちゃんが眉間に皺を寄せながら、ほんのわずか後方に視線を向けてからそう言った。
どこか憚るような行動に、私もつられてこっそりと背後に視線を走らせた。
だけど、私にはももちゃんが不審に思った人影を見つけられなかった。
「お店に入るタイミングも一緒だった。一人なのに、宴会帰りの私たちと帰りが一緒って変じゃない?」
ももちゃんはそう言って気味悪そうにしていたけど、私にはそもそも誰のことなのかもわからない。
「それ、男? 女?」
「男……だったかな?」
ももちゃんはそう言って、自信なさそうに首を傾げた。
「背高くて髪短くて、ダッポリコート着てたから、気にしてみないとわかんないよ」
そう言われてもう一度、今度は大きく振り返ってみたけど、ももちゃんが言うような怪しい人影はやっぱり見当たらない。
それを告げると、ももちゃんも背後を確認した。
そして、やっとホッとしたような表情を浮かべる。
「……なんか、気味悪い。急ごう、奏美」
そう言って駅まで小走りになるももちゃんを慌てて追いかけた。
それでも、私の方はそこまで気にしていなかったのだけど……。