浮気者上司!?に溺愛されてます
ゴンッ、と、何やら鈍い音がした。
廊下に仰向けで倒れ込んだ恭介の頭が打ち付けられた音だとわかる。
でも私は止まらない。
恭介と一緒に倒れ込みながら、ただ闇雲に、その胸を太鼓でも叩くかのように打ち続けた。
「バカッ! 課長のくせに部下を脅すなんて最低! しかも本気じゃないくせに惑わせるし、意味深なことばっかり言うし、もう上司としてだけじゃなくて人間としても最低なんだからっ!」
安心して一度止まった涙がまたブワッとこみ上げてくる。
両手でドンッと一層強く恭介の胸を叩いて、私はワアッと声を上げて泣き出した。
「……奏美、なんか、言ってることがよくわかんないんだけど……」
私の叫びが泣き声になったタイミングで、恭介が私の下でギュッと目を閉じて、切れ切れの声を漏らした。
「もう、許さないっ! 課長でも上司でも、こんな浮気者のストーカー、警察に突き出してやるんだからっ……!」
「ああ、なんかもうどうでもいいんだけどさ……。一つだけ言わせろ。……多分、奏美が言ってるストーカーは、俺じゃない」
「え?」
その言葉が頭の中にクリアに届いたのは、ただの偶然のタイミングだったと思うけど。
廊下に仰向けで倒れ込んだ恭介の頭が打ち付けられた音だとわかる。
でも私は止まらない。
恭介と一緒に倒れ込みながら、ただ闇雲に、その胸を太鼓でも叩くかのように打ち続けた。
「バカッ! 課長のくせに部下を脅すなんて最低! しかも本気じゃないくせに惑わせるし、意味深なことばっかり言うし、もう上司としてだけじゃなくて人間としても最低なんだからっ!」
安心して一度止まった涙がまたブワッとこみ上げてくる。
両手でドンッと一層強く恭介の胸を叩いて、私はワアッと声を上げて泣き出した。
「……奏美、なんか、言ってることがよくわかんないんだけど……」
私の叫びが泣き声になったタイミングで、恭介が私の下でギュッと目を閉じて、切れ切れの声を漏らした。
「もう、許さないっ! 課長でも上司でも、こんな浮気者のストーカー、警察に突き出してやるんだからっ……!」
「ああ、なんかもうどうでもいいんだけどさ……。一つだけ言わせろ。……多分、奏美が言ってるストーカーは、俺じゃない」
「え?」
その言葉が頭の中にクリアに届いたのは、ただの偶然のタイミングだったと思うけど。