浮気者上司!?に溺愛されてます
聞き返した私にホッとしたように、恭介がゆっくり目を閉じた。


「……俺は、百瀬から昨夜のこと聞いて……心配だっただけで……」

「え?」


その後、恭介の声はそのまま途切れた。
私の超暴力的な攻撃を遮るように腕を掴んでいた恭介の手から力が抜けて、そして、だらんと床に落ちる。


「……え? 恭介……?」


そのまま意識を失ってしまった恭介をしっかり見つめて、サアッと血の気が引く音を聞いた気がした。


男か女かわからないストーカー。
それは、だっぽりしたコートを着て、頭からフードまで被っていたから。


そして今私の下で完全に伸びてしまった恭介は、当たり前だけどスーツ姿だ。
仕立てのいい上等なスーツに身を包んだ、誰から見てもイケメンサラリーマンでしかなく……。


「きょ、恭介っ! 恭介!!」


完全に人間違いした上に、思いっきり暴力を奮ってしまったことに気づく。


どうしよう、どうしよう!
こんなの誰がどう見ても、私の方が警察沙汰だ!!
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