浮気者上司!?に溺愛されてます
「無理無理無理! なんで私が恭介の部屋に行けるのよっ……!」


軽くパニックしながら頭を抱えて必死に拒んだ。


だって……。恭介は正気で言ってるの?
本当に私を心配してくれてるのはわかるけど。
私を安心させようとしてくれてるのもよくわかるけど。


恭介の家……そこは恭介と奥さんの二人だけの空間で、そこにただの部下とは微妙に言い難い私が居候するなんて……。
そんな三つ巴、ありえない。
何より、完全に人道に反しているとしか思えない!!


そして、そんな私の必死な拒否は恭介にも伝わったのか。


「……だよな。まあ、そう言うと思ったんだけど」


返ってきたのは理性的な言葉で、私は大きく息を吐いてホッとした。
そして、そんなことを言わせたのは、私が怖がっているせいだと気づいて、ちょっと申し訳ない気分になる。
だから……。


「……あの、ごめんなさい、恭介。私……」


大丈夫だから。
そう告げて、とにかく少し冷静になろう、そう思ったのに。


「だから、俺が通うわ。ここに」

「へ?」


あまりにサラッと告げられた言葉の意味がうまく呑み込めずに、私はパチパチと瞬きをした。
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