セントポーリア
考える時間をもらってから数日が経った。
「彩葉ちゃんは鈍感すぎる!」
「鈍感かなぁ」
「自分の気持ちに」
自分の気持ち…
「彩葉ちゃん、想像してみて。
もし春瀬くんともう一緒に帰れなくなったり、前みたいに仲良く話せなくなるのはどう?」
そんなの…
「嫌…」
これからもずっと仲良くいたい。
一緒にいて楽しいから…
「じゃあこの前の春瀬くんの質問は、違う答えが出せたんじゃない?」
"俺に彼女ができたらどう思う?"
「彼女がいたら、今まで通り友達としてでも春瀬くんの隣にいるのは難しいよ」
「あ…」
確かに。
春瀬くんが彼女を作らないって、私が勝手に思い込んでたんだ。
だから春瀬くんの質問に、深く考えられなかったんだ。
もし彼女ができたら、春瀬くんといられなくなる。
そんなの嫌だ。
私はどこかで春瀬くんを独占していたのかもしれない。