セントポーリア
どうしても
大学一年生、夏。
私は少し遠くにある大学に入学した。
「彩葉っ、おはよ」
「おはよう、千帆」
佐伯千帆(さえきちほ)
同じ学部で初めて出来た友達だ。
「レポートやった?」
「ぼちぼちかなぁ」
「締め切り近いよ、頑張れ彩葉!」
"あの出来事"以来、私は必死に勉強してここの大学に入る事ができた。
勉強なんかできなかったけど、なにかできない事を必死にやらなければ辛いから。
環境は変わっても、私自身は何も変われてない。
「ねぇ、今日授業終わるの早いし海行かない?」
「あ…ごめん。今日は高校の友達と会う約束してるんだ」
そう、今日は結梨と会う。
大学は違うけど縁は切れない。