麗雪神話~理の鍵人~
「とりあえず…助けてくれて…ありがとうな。
おいらはポック・ド・ポクネス。ポックだ。
あんたは?」

「私はセレイアよ。
よろしくね」

正直見知らぬ場所にたった一人きりで心細かったから、ポックの存在はありがたかった。

「あなたはここに住んでいるの?」

「そりゃそうさ。
この“雪の庭”はおいらの友達が住んでいいって言ってくれた場所だからな」

「ここ、“雪の庭”って言うんだ……」

ぴったりなネーミングだと思った。

感心しきりのセレイアを見て、ポックは驚いたようだ。

「あんた、なんにも知らないんだな。
どうして人間が、天上界に来たんだ?」

「それは…話せば長くなるのだけど……」
< 14 / 159 >

この作品をシェア

pagetop