麗雪神話~理の鍵人~
「そんな…っ! こんなのって…! うそよ、ポック、目を、目を開けて……っ」
セレイアの目からとめどなく涙があふれ、小さなポックの頬を濡らす。
どうして応えないのだろう。
―なんだよ冷たいなぁと、目を開けて今にも軽口を叩きそうなのに。
「セレイア……」
ディセルはそんなセレイアの肩を優しく抱いた。
けれどその口からこぼれたのは、彼女にとって辛い言葉だった。
「セレイア、悲しみに浸っている時間はない。
事は一刻を争うって、ポックも言っていただろう?
今は悲しむより、ポックの最期の願いを、叶えてあげなきゃ」
「うぅ……うっ……」
もう一歩も動きたくない、とセレイアは思った。
もう誰の死も見たくなかった。
もう誰にも……悲しい死に方をしてほしくなかったのに。
どうして、ポックが死ななければならなかったのか。
(ポック、ポック…!)
セレイアの目からとめどなく涙があふれ、小さなポックの頬を濡らす。
どうして応えないのだろう。
―なんだよ冷たいなぁと、目を開けて今にも軽口を叩きそうなのに。
「セレイア……」
ディセルはそんなセレイアの肩を優しく抱いた。
けれどその口からこぼれたのは、彼女にとって辛い言葉だった。
「セレイア、悲しみに浸っている時間はない。
事は一刻を争うって、ポックも言っていただろう?
今は悲しむより、ポックの最期の願いを、叶えてあげなきゃ」
「うぅ……うっ……」
もう一歩も動きたくない、とセレイアは思った。
もう誰の死も見たくなかった。
もう誰にも……悲しい死に方をしてほしくなかったのに。
どうして、ポックが死ななければならなかったのか。
(ポック、ポック…!)