麗雪神話~理の鍵人~
不意に、涙するセレイアの頬に、ぱしんと軽い衝撃がおとずれた。
痛みは大してなかった。
だが、ディセルに頬を張られたのだと気付いて、呆然とした。
ぼんやりと隣を見上げると、ディセルが真剣な面持ちでセレイアを見つめていた。
その瞳には、セレイアと同じ、悲しみが宿っている。
けれど同時に、揺るぎない光のようなものを、感じた。
「しっかりして、セレイア!
ポックの死を、無駄にする気!?
本当にポックを想うなら、今は立って。先へ進むんだ!」
「…………ディセル」
ディセルの言葉が、やっと胸に染み入ってくる。
(そうだわ…ポックは私たちのために、命を賭けてくれた。
だから私たちは、彼の願いを、なんとしてもかなえてあげなきゃ)
セレイアはよろけながらも、立ち上がった。
「ありがとうディセル。
もう、大丈夫……行きましょう」
ぎゅっと、ディセルがセレイアの手を握ってくれた。
痛みは大してなかった。
だが、ディセルに頬を張られたのだと気付いて、呆然とした。
ぼんやりと隣を見上げると、ディセルが真剣な面持ちでセレイアを見つめていた。
その瞳には、セレイアと同じ、悲しみが宿っている。
けれど同時に、揺るぎない光のようなものを、感じた。
「しっかりして、セレイア!
ポックの死を、無駄にする気!?
本当にポックを想うなら、今は立って。先へ進むんだ!」
「…………ディセル」
ディセルの言葉が、やっと胸に染み入ってくる。
(そうだわ…ポックは私たちのために、命を賭けてくれた。
だから私たちは、彼の願いを、なんとしてもかなえてあげなきゃ)
セレイアはよろけながらも、立ち上がった。
「ありがとうディセル。
もう、大丈夫……行きましょう」
ぎゅっと、ディセルがセレイアの手を握ってくれた。