麗雪神話~理の鍵人~
3
最上階の扉の外で、ヴェインはじっと中の様子を見つめていた。
ふふ、と歪んだ笑みがその頬に浮かぶ。
彼はつぶやいた。心底から楽しそうに。
「すべてを知るか、スノーティアス。
そこには絶望しか待っていないというのに」
少々時は遡る。
「どれだけの命を犠牲にしてきた…!
お前の歪んだ道楽のために……!!」
激しくレコンダムと剣を打ち合いながら、ボリスは腹の底から絞り出すように問いかけた。
彼の胸の内を占めているのは、怒りだ。
こんな場所にまで来て、エイフォーティクの人々にあきたらず、神々までも支配下におさめようとは。
彼の道楽は、まき散らされる毒のようなものだ。
レコンダムは片頬を歪ませるようにして笑う。
「犠牲、な。
知ったことか。
弱い者は強い者に食われる。それだけではないか?」
「…違う! 貴様のやっていることは、ただの道楽だ! たくさんの命を犠牲にして、よいはずがない!」
「私は皇帝だ。
私がよいといったら、よいのだよ。そんな簡単なこともわからぬか?」
「貴様……っ!」
ふふ、と歪んだ笑みがその頬に浮かぶ。
彼はつぶやいた。心底から楽しそうに。
「すべてを知るか、スノーティアス。
そこには絶望しか待っていないというのに」
少々時は遡る。
「どれだけの命を犠牲にしてきた…!
お前の歪んだ道楽のために……!!」
激しくレコンダムと剣を打ち合いながら、ボリスは腹の底から絞り出すように問いかけた。
彼の胸の内を占めているのは、怒りだ。
こんな場所にまで来て、エイフォーティクの人々にあきたらず、神々までも支配下におさめようとは。
彼の道楽は、まき散らされる毒のようなものだ。
レコンダムは片頬を歪ませるようにして笑う。
「犠牲、な。
知ったことか。
弱い者は強い者に食われる。それだけではないか?」
「…違う! 貴様のやっていることは、ただの道楽だ! たくさんの命を犠牲にして、よいはずがない!」
「私は皇帝だ。
私がよいといったら、よいのだよ。そんな簡単なこともわからぬか?」
「貴様……っ!」