麗雪神話~理の鍵人~
…不意に。
ディセルは感情の読めない声音で言った。
「―さよならだ、セレイア」
その言葉を理解するのに、セレイアは何秒もの時間を要した。
「え…………?」
これから二人で、天上界で暮らしていく。こんな時に、出てくるはずのない言葉。
驚いて、ディセルを見る。
彼の目は暗い闇に沈んでいた。
絶望と言う闇に……。
「俺はもう、君のそばにはいられない」
「ディセル…何言って……」
「君に出会えてよかった。
君を愛せてよかった」
ディセルの目に、光る涙をみつけて、絶句する。
「さよなら」
どん、と突き飛ばされた。
よろけたセレイアは湖面に滑り落ちる。
するとセレイアの体を光が包み、何も見えなくなる。
それは天上界への扉を通った時の感覚に似ていた。
それで、気づく。
(私、人間界に―――?)
どうして。
なぜ。
答えを求めて視線をあげても、セレイアの目にディセルの姿が映ることはなかった…。
ディセルは感情の読めない声音で言った。
「―さよならだ、セレイア」
その言葉を理解するのに、セレイアは何秒もの時間を要した。
「え…………?」
これから二人で、天上界で暮らしていく。こんな時に、出てくるはずのない言葉。
驚いて、ディセルを見る。
彼の目は暗い闇に沈んでいた。
絶望と言う闇に……。
「俺はもう、君のそばにはいられない」
「ディセル…何言って……」
「君に出会えてよかった。
君を愛せてよかった」
ディセルの目に、光る涙をみつけて、絶句する。
「さよなら」
どん、と突き飛ばされた。
よろけたセレイアは湖面に滑り落ちる。
するとセレイアの体を光が包み、何も見えなくなる。
それは天上界への扉を通った時の感覚に似ていた。
それで、気づく。
(私、人間界に―――?)
どうして。
なぜ。
答えを求めて視線をあげても、セレイアの目にディセルの姿が映ることはなかった…。