麗雪神話~理の鍵人~
「あんなに大事そうに雪の庭を案内するんだ、大切な友達なのかと思って」

「ともだち………」

(私はディセルの、なんなんだろう)

考えたこともなかった。

けれど考えれば、「友達」という答えが出てくるはずだった。

それなのに今のセレイアは、その答えに納得がいかない気がしている。

…なぜだろう。

(ただの旅の仲間、よね。
でもディセルは私を………私はディセルを………)

そこまで考えて、セレイアはぼっと赤面した。

「あれ、セレイア、顔が赤いぞ? はは~ん」

じとっとこちらに半目を向けるポックに、セレイアはたじろぐ。

「な、なによ」

「ひょっとしてお前、スノーティアスのことが好きなのか?」

「ええっ!?」

直球である。

セレイアが赤くなったり青くなったりしていると、ポックが小さな手でぽん、とセレイアの肩を叩いた。
< 20 / 159 >

この作品をシェア

pagetop