麗雪神話~理の鍵人~
第一章 雪の降る庭で
1
気が付くとセレイアは無数の星のまたたく、宇宙の中にいた。
漆黒の闇と、輝く光だけが存在する世界を、ぐんぐんと速度をあげて、飛んでいく。
なぜこんな場所にいるのか。
どこへ向かっているのか。
何もわからない。
けれども不安は感じていなかった。
なぜならセレイアの体を包み込む、確かな体温がすぐそばにあったから。
ディセルがセレイアを抱き上げてくれている。
すぐそばにいてくれる。
だから、平気だった。
どんなことも、怖くないと思えた。
二人の体はどんどん加速し、やがてひときわまばゆい光の渦が前方に見えてきた。
このままいくと、あの渦の中にとびこむことになるだろう。
二人の間に言葉はなかった。
何かしゃべろうとしたところで、このような場所ではきっと声にならなかっただろう。
ただ、自分を抱き上げる腕に優しい力がこもったのがわかった。
それだけで、やっぱり怖くないと思えた。
光は近づくにつれますます強まり、もう目を開けていられないと思った時―――
二人は、光の渦の中へと突入していた。
漆黒の闇と、輝く光だけが存在する世界を、ぐんぐんと速度をあげて、飛んでいく。
なぜこんな場所にいるのか。
どこへ向かっているのか。
何もわからない。
けれども不安は感じていなかった。
なぜならセレイアの体を包み込む、確かな体温がすぐそばにあったから。
ディセルがセレイアを抱き上げてくれている。
すぐそばにいてくれる。
だから、平気だった。
どんなことも、怖くないと思えた。
二人の体はどんどん加速し、やがてひときわまばゆい光の渦が前方に見えてきた。
このままいくと、あの渦の中にとびこむことになるだろう。
二人の間に言葉はなかった。
何かしゃべろうとしたところで、このような場所ではきっと声にならなかっただろう。
ただ、自分を抱き上げる腕に優しい力がこもったのがわかった。
それだけで、やっぱり怖くないと思えた。
光は近づくにつれますます強まり、もう目を開けていられないと思った時―――
二人は、光の渦の中へと突入していた。