麗雪神話~理の鍵人~
「ボリス、彼らはサラマスに仕えている炎の“準神”よ。
みんな、ええっと、ここにいるボリスは人間だけど、先にこの世界に侵入してきた悪い人間をやっつけるために、ここまで来てくれたの。
彼がいい人だってことは私が保証するから、良くしてあげてね」
準神と呼ばれた、サラマスによく似た赤い髪の彼らは、ボリスに笑顔を向けてくれた。
そろいもそろって美しい。
ボリスは自分のようなただの人間がこんなところにいていいのか、はなはだ不安になった。
「どうぞ、炎の館へお越しください。旅の疲れをごゆるりと癒されて……」
「―いや、待った。そんな場合じゃないんだ」
準神の一人の言葉を、サラマスが真剣な口調で遮る。
「相当数の武装した人間たちが天上界になだれ込んできたはずなんだ。
彼らが今どうしているか、何かわかることはないか? 俺たちはあいつらを早急にどうにかしなきゃいけない。ゆっくりしている暇はないんだ」
「相当数の人間…では異質な気配はやはり気のせいではなかったのですね」
「神々全員が異質な気配を感じて驚いています。ですが、どこにいるのかまでは…ひょっとしたら、強い力をお持ちになる、水の神ディーネリア様なら、何かご存知かもしれません」
その名前を聞いた途端、サラマスが一瞬何かを堪えるような表情をしたのが印象的だった。シルフェの方も、少し様子がおかしい。わずかに瞳を伏せて、憂い顔になった。
そんな二人に、声を掛けてもいいものか迷ったが…。
「おい、シルフェ、サラマス。
なんでもいい、レコンダムの情報がほしい。
水の神様とやらのところへ、俺を連れて行ってくれ」
ボリスがそう言うと、二人はすぐに表情を切り替えて、ボリスの言葉にうなずいてくれた。
みんな、ええっと、ここにいるボリスは人間だけど、先にこの世界に侵入してきた悪い人間をやっつけるために、ここまで来てくれたの。
彼がいい人だってことは私が保証するから、良くしてあげてね」
準神と呼ばれた、サラマスによく似た赤い髪の彼らは、ボリスに笑顔を向けてくれた。
そろいもそろって美しい。
ボリスは自分のようなただの人間がこんなところにいていいのか、はなはだ不安になった。
「どうぞ、炎の館へお越しください。旅の疲れをごゆるりと癒されて……」
「―いや、待った。そんな場合じゃないんだ」
準神の一人の言葉を、サラマスが真剣な口調で遮る。
「相当数の武装した人間たちが天上界になだれ込んできたはずなんだ。
彼らが今どうしているか、何かわかることはないか? 俺たちはあいつらを早急にどうにかしなきゃいけない。ゆっくりしている暇はないんだ」
「相当数の人間…では異質な気配はやはり気のせいではなかったのですね」
「神々全員が異質な気配を感じて驚いています。ですが、どこにいるのかまでは…ひょっとしたら、強い力をお持ちになる、水の神ディーネリア様なら、何かご存知かもしれません」
その名前を聞いた途端、サラマスが一瞬何かを堪えるような表情をしたのが印象的だった。シルフェの方も、少し様子がおかしい。わずかに瞳を伏せて、憂い顔になった。
そんな二人に、声を掛けてもいいものか迷ったが…。
「おい、シルフェ、サラマス。
なんでもいい、レコンダムの情報がほしい。
水の神様とやらのところへ、俺を連れて行ってくれ」
ボリスがそう言うと、二人はすぐに表情を切り替えて、ボリスの言葉にうなずいてくれた。