麗雪神話~理の鍵人~
ポックはその後、食べ終わったセレイアとボリスに、おいしい食後の茶までごちそうしてくれた。

「でも、なんでこんなことができるの? 神様ならみんなできるの?」

セレイアの問いに、ポックは首を傾げて答えた。

「知らないよ、でもおいらは昔からできる」

「人間の食べ物を、よく知っていたわね」

「ああそれは…人間界、いつも見てたから………」

ポックの瞳がわずかにかげった。

「一人ぼっちで、誰もおいらの相手をしてくれなかった時は…人間界をいつも見てたんだ。だから知ってる、人間のこと」

「ポック……」

こんなに気のいい神様なのに、ディセルだけが友達だったと言っていた。

それはとても残念なことのように思えた。

(姿は少し違っても、話せばきっとわかりあえるのに)

セレイアは微笑み、ポックに手を差し伸べた。

「ポック、これからは私たちが一緒よ」

ポックが驚きに目を見開く。
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