麗雪神話~理の鍵人~
サラマスはセレイアの前に着地するなり、渋い顔で告げた。

「すまないスノーティアス、セレイア。
レコンダムはじめ、大勢の人間たちが理の領域の中に入っちまった」

レコンダムの名を聞いて、ボリスの表情が険しくなる。

「奴め……」

と唸って、

「俺たちも急いで後を追おう!」

とシルフェに視線を送った。

「ええ。ディーネリア様は理の領域の中では神々の力が使えないと言っていた…。だからここから先はあなたとセレイアが頼りよ。よろしくね」

シルフェに頼りと言われ、ボリスが得意げに微笑む。

セレイアは真剣な顔で頷いた。

「お~い! おいらのことも忘れないでくれよ~」

今までどこにいたのか、ポックが飛んでやってくる。

「ごめんなみんな。おいらは戦えないから、遠くから見てた。でもここからはおいらの力が必要だよな?」

「もちろんよポック。理の領域の中のことは、あなた以外誰も知らない。道案内を頼むわ」

「任せとけ!」

再び、ポックが先頭を飛ぶ。

「今は一刻も惜しいわ。さあみんな、行きましょう!」

シルフェの風に乗って、一行は理の領域へと飛んだ。
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