麗雪神話~理の鍵人~
「 みっつけたぁ~~!!セレイア!!」

最初は不安が聞かせる幻聴かと思った。

けれど、セレイアの名を呼ぶ声は、どんどん近づいてくる。

空からだ。

セレイアがはっと顔をあげて声のした方を見やると、手のひらサイズの小さな生き物が、ぱたぱたと飛んでくるところだった。

心底ほっとして、セレイアは思わず泣きそうになった。

「…ポック!!」

そう、飛んできたのはこの理の領域で大変頼りになる神、ポックだった。

ポックは喜びの涙で顔をくしゃくしゃにして、セレイアに突進してきた。

「このぉ、心配かけさせやがって…!
とりあえず無事でよかった!
いや無事か!? 大丈夫か!? 怪我は!?」

「大丈夫よ」

セレイアはぎゅっとポックの小さな体を抱きしめた。

安堵したら、急に心配事が浮上してきた。
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