ゴールデン☆キャット
漸く静かになった頃には、相手の保護者達は息切れ切れだった。



「もう宜しいですか?」

「何なの!? その態__」

「大事なお子さんに怪我をさせてしまった事は大変申し訳なく思っております。 どんな状況であれ、申し訳ありませんでした。 治療費はこちらで全て負担させて頂きます。」

「当たりま__」

「ですが、事の発端はそちらでしょう? そちらからの謝罪も頂けません?」



桐生君のお母さんは笑顔を浮かべてそう言った。


目が怖いし、怒鳴り散らすよりこっちの方が断然怖いと思ってしまった。



「こちらのせいですって!? お宅の子が喧嘩を売ってきたんでしょ!?」

「は?」



はぁ!?


桐生君の声と私の心の声が被った。


どうやら先輩たちは桐生君から喧嘩を吹っ掛けられたと話している様で、保護者がワーワー言っている間私たちとは目を合わせようとしなかった。





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