ゴールデン☆キャット
納得のいかない保護者達はまだグチグチと文句を並べている。



「子供を信じる親の気持ちはよく分かりますが、そろそろいい加減になさったらどうですか? 子供が自分の気持ちを押し殺して悪くもないのに『お願いします。』と頭を下げてるんですよ。」

「だからこれが本当かどうかも分からないじゃないの!!」

「頭の固い人たちね。 そちらからしてみれば涼宮さんの申し出は有難いものだと思いますけど? 息子に悪評がつこうとこちらは一切問題ありません。 仮にこの件で涼宮さんにも何かしら悪評がつくのであれば、こちらでどうにでも対処できますので、どうするのかはどうぞそちらで決めて下さい。」



桐生君のお母さんはずっと堂々としていて、どっしり構えている。


口調はそんなに強くないのに相手の方が圧倒されている。


相手は渋々といった感じで私の提案を受け入れてくれた。


けど謝罪の言葉は一言も聞けなかった。


決まった事を了承したとみんなで一筆書き、スマホは学校側で処分する事になった。



「納得いただけない様であれば裁判に持ち込んで頂いて構いません。 その折にはお手数ですがご連絡下さい。 もしそうなれば社会的に無事でいられる保証はできませんけど。」



談話室を出てもグチグチ文句を言っている保護者に桐生君のお母さんは笑顔でそう言った。


けど目は思わず息を呑むくらい冷たくて、保護者達も村雨さんたちも顔を青くして行ってしまった。
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