ゴールデン☆キャット
桐生君は蒼に向き合うと深々と頭を下げた。



「俺がもっと早く気付いてたら、みのりは嫌な目に遭わずに済みました……本当にすみませんでした。」

「……いや、妹を守ってくれてありがとう。 昨日は殴って悪かった。」



いつもへラッとしてるのに、今日はずっと真剣な顔をしている桐生君。


こんな面倒くさい事になっても私の事を大事にしてくれる。


守ろうとしてくれる。


こんな状況なのに嬉しいと思わずにはいられなかった。


私は桐生君のお母さんに頭を下げた。



「桐生君を巻き込んでしまってすみませんでした。」

「頭を上げてちょうだい。 貴女のせいじゃないでしょ?」



顔を上げると桐生君のお母さんは「無事で良かった。」と言ってくれた。


さっきまでの表情とは違って優しい笑顔だった。


今日は自宅謹慎という事になり、桐生君のお母さんが車で送ってくれることになった。



< 112 / 180 >

この作品をシェア

pagetop