ゴールデン☆キャット
蒼を学校で下して後部座席には私と桐生君の二人になった。


自然につながれた手にドキッとした。


今更だけど桐生君の拳傷に傷が付いていることに気が付いた。


私のせいだ……。


そっと親指で撫でると、桐生君と目が合った。



「たいした事ない。」

「……綺麗な手なのにごめん。」

「ばーか。 男なんだから一々手とか気にしねーよ。 みのりに怪我がなくて良かったよ。」

「桐生君が守ってくれたおかげでね。 ありがとう。 でもよく分かったね。」

「何が?」

「私が……あんな事になってるって……。」



もう具体的に言葉にしたくなかった。


出来る事なら思い出したくもない。



「亜子が教えてくれた。」

「え……? 笹野さんが……?」



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