ゴールデン☆キャット

私もびっくりして顔を向けると、隣に綾瀬先輩が立っていた。



「あ、ごめんね。　ビックリしてつい声が出ちゃった。」

「い、いえ！　こちらこそすみません……。」



何となく気まずい雰囲気が流れた。


自販機から紙パックを取り出して、綾瀬先輩に向かって口を開いた。



「それじゃ、失礼します。」



気まずさに耐えられなくて足早にその場から離れた。


戻るとまだ尊は女の子たちに囲まれていた。


この光景見るくらいなら気まずい感じの中綾瀬先輩と一緒に居る方がマシだったかもしれない。


綾瀬先輩は尊のお兄ちゃんの彼女だし、せっかくだから尊の事とか聞いてみればよかった。


イライラし過ぎて食欲も段々と失せていく。


これはもうダメだ。


まだおかずの残っているお弁当箱をしまった。