ゴールデン☆キャット
腰を抱き寄せられて、思わず体が強張った。


二人で居る時は少し慣れてきたけど、人がいる所でされるとまだ緊張する。


しかも彼氏の家族の前で……。



「そうだ。 みのりちゃん、良かったら洋服もらってくれない?」

「え?」

「いつもシーズンごとにお義姉さんが洋服持ってきてくれるんだけど、一度も着れないままになる事が多くって……。 あ、全部新品だから大丈夫!」



新品って言われると余計もらい辛いな……。



「でも……いいんですか?」

「着ない洋服はどうせいつも寄付したりしてるの。 だから遠慮なく持って帰って。 でも欲しいものがなければ無理して持って帰らなくていいからね。」

「それじゃあお言葉に甘えて……ありがとうございます。」

「ううん、こちらこそありがとう。 洋服のある部屋後で案内してあげてね。」

「おー。」

「じゃあ、みのりちゃんも豊もごゆっくり。 行ってきまぁす。」



みんなで「行ってらっしゃい。」と言うと、美月さんは笑顔でリビングから出て行った。


思っていたよりも緊張していたのか、肩らか力が抜けていった。

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