ゴールデン☆キャット
「何してんの?」



後ろから声を掛けられてドキッとした。



「あ、雨降りそうだったから置き傘取りに……あの、ごめん。」

「何が?」

「……聞いちゃったから。」

「別にいいよ。 変な事してたわけじゃないし、お前ペラペラ喋る奴じゃねーし。」

「絶対誰にも言わない! ってかそもそも言う友達いないし……。」

「はは、寂しい奴。」



桐生君は「じゃーなー。」と言って帰っていった。


さっきの真剣な顔は幻だったのかなって思うくらい、いつも通りの桐生君だった。


やっぱり好きな気持ち知られないようにしないと……。


知られたもうお昼一緒に食べてもらえなくなる。


お菓子も受け取ってくれなくなる。


そんなのヤダ……。


想像しただけで辛くて、教室で一人泣いてしまった。
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