ゴールデン☆キャット
◆第3話 悪意のない好奇
あんなに桐生君に絡んでいた笹野さんがおとなしくなった。


大人しくなったと言うか、クラスの他の男子や女子と騒ぐようになった。



「みこの髪の毛すっごい触り心地いいー!!」

「えー私も触りたい!!」



笹野さんが桐生君と話さなくなった途端、他の女の子たちが桐生君の周りに集まるようになった。


笹野さん一人の方がまだマシだった。


前以上に煩い。


それに、嫉妬もしてしまう。


女の子たちの声を聞きたくない。


桐生君に触れてるところを見たくない。


ふと視線を逸らすと笹野さんの姿が視界に入った。


桐生君を見る目が寂しそうに見えた。


まだ好きなんだ。


って、そりゃそうだよね。


あれからまだそれ程経ってないのに、そう簡単に気持ちは変わんないよね。
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