ゴールデン☆キャット
鞄を取ろうとしたけど、取れなかった。


何故か桐生君が私の鞄から手を離してくれないから……。



「あの……。」

「午後応援しなかっただろ。」



ちょっと待ってよ。


何でそんな不機嫌そうな顔するの?


意味わかんない。



「お互い様でしょ。」

「は?」



『は?』って何?



「桐生君だってお昼すっぽかしたじゃん! 先に約束破ったのはそっちじゃない!!」



ムカついてキツイ口調になってしまう。


だってムカつくくらい、悲しくなるくらい、泣きたくなるくらい桐生君と過ごせるお昼休みを楽しみにしてた。

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