世者と死者の恋物語
参ったな…
このままじゃ家に帰れないや…

千尋の身体がぶるっと震え上がる。

寒い…巫女の衣装のまんま逃げて来たからかな?

どうしよう…

徐々に空は闇色になりはじめる。

寂しいな…

このまま、私凍え死んでしまうのかな?
そんなの、やだな…

このまま立ち止まっていても意味が無い
何処か交番を捜さなきゃ!

千尋は再び歩きはじめた。

突然、千尋の手の甲に冷たいモノが触れた。

「っ…冷た」

ゆ、雪?

千尋は空を見上げた。

綺麗

雪は、ゆっくりとに舞い降りて、やがて千尋の身体に触れるとすぐに溶けた。

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